[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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第6号奥付 茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)
2015年01月31日発行
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算数科における道徳教育について-具体的な授業実践例を通して-
著者:島内 啓介
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p177-185
2015年01月31日発行
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平成20年に改訂された学習指導要領では、各教科を通して、道徳教育の推進がより一層明確になった。算数は道徳的価値との関連が少ない教科ということもあり、その関連が図られていない現状がある。しかし、算数の目標である「数学的な考え方の育成」を達成するための指導は「道徳的判断力の育成」に資するものである。本稿はでは、算数科の指導を通して道徳性を養う視点として、○算数科の目標との関連、○道徳の価値項目との関連、○学習活動や学習態度への配慮、の3点として論じていく。
作家タックラムの描くベトナム料理とアイデンティティ-随筆「ハノイ36通り」より-
著者:尾崎 由利子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p169-176
2015年01月31日発行
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1930年代に活躍したベトナムの作家タックラムは、ベトナム・ハノイの庶民の料理や菓子を、ベトナム人のアイデンティティや、地域や地域に暮らす人々と結びつけて描いた。それらのベトナム料理や菓子は、現在まで受けつがれ、地域のアイデンティティを示すものとしても、使用されている。本研究では彼の随筆「ハノイ36通り」をテキストに、彼の描いたベトナム人のアイデンティティを明らかにした。
初任者指導の取り組みに関する一考察-初任者研修の実際を通して-
著者:若崎 光美
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p155-168
2015年01月31日発行
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学校教育現場における初任者研修は、実践的指導力と高い専門性、豊かな人間性や使命感を養うことを目的に現職教育の一環として平成元年度から本格的に実施され、ちょうど25年が経過した。その間、文部科学省をはじめ各都道府県の行政機関、教育研究者等から成果や課題等が報告され、改善を重ねながら継続されてきた。初任者の時期は、大学の教員養成段階で学んだ内容と学校現場における実践を結びつけ、2年目以降の飛躍につながる力量を培う大切な時期である。本論文は、筆者が小中学校の初任者指導教員として2年間、学級経営の進め方や各教科・道徳等の指導方法や内容等に関する研修に取り組んできた実際を通して考察した成果や課題、改善点等について述べたものである。
BPSD(認知症問題行動)とADLとの相関性
著者:戎 弘志
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p147-154
2015年01月31日発行
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BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms on Dementia)は刺激により修飾され怒りの感情となるが、不適切な刺激を減らすことで興奮性を減らすことが可能になるとされている。本研究ではBPSD改善につながる支援内容を明らかにする質的研究を検討した。身体的ADLの低下に伴い、自分の意思伝達も低下するという随伴的行動特徴がみられるが、
身体的ADLが改善しても意思決定意思伝達には影響がなく、身体的行動特徴と精神的行動特徴には、鮮明な相関関係はない可能性が示唆された。しかし、身体的ADL及び日課的ADLとBPSDとの間には相関関係はみられないが、CADLとBPSDとの間には弱いながらも相関関係がみられることから、生きがいをもつことや日々の生活に心地よさを感じることで、BPSDの改善につながる可能性も考えられた。
小学館学年別学習雑誌『小学六年生』における読者共同体の形成
著者:田中 卓也
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p133-145
2015年01月31日発行
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本研究は、小学館の学習別学年雑誌『小学六年生』に集った多くの児童読者意識の形成とその特徴について明らかにするものである。小学館はわが国における老舗出版企業として財を成し、多くの雑誌の販売を手がけた。同誌も月刊誌のひとつとして売れ行きは好調であった。大正期から昭和戦前期にかけて、同誌は、小学校高学年から中学生における読者層が購読していたようであり、人気を博した。誌面は学習欄が設定されていて、多くの愛読者から支持された。この愛読者の力により、学習雑誌として成功することになった。この愛読者等はいつしか読者共同体を形成することになった。同誌の読者共同体は、学習をこよなく愛する勉学に旺盛な児童らが、メルクマールとなった。かれらは互いに“小六”と略語を使用し、呼び合うことになった。読者共同体は、投書欄において互いに交流の場とされた。戦時体制下において、一時は休刊していたが、戦後になってから同誌は復刊を果たし学習雑誌として発売されていった。コミュニティであった小六読者共同体においても、引き続き継続していくことになった。
保育科学生の実習における課題に関する研究-言葉かけの問題を中心として-
著者:戸田 大樹
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p121-132
2015年01月31日発行
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本研究は、今後の教育・保育実習事前事後指導や保育内容(言葉)の授業改善に生かすための基礎的資料を得ることを目的としている。調査1として、保育科学生が抱く実習課題意識を実習簿の反省・感想文の内容から調査した。その結果、保育科学生は援助方法や言葉かけ、こども理解の要因を幼稚園実習の主な課題としていることが認められた。また、調査2として、言葉かけの事例作成から、実習中に用いた保育科学生のこどもへの言葉かけ内容を調査した。その結果、保育科学生の言葉かけ内容は共感や提案、質問などを多く用いていることが認められた。
精神保健福祉士による統合失調症患者への訪問支援の有用性-自主的な服薬の達成と家庭生活での役割獲得に焦点を当てて-
著者:星野 弘美
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p107-119
2015年01月31日発行
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本研究では、精神科病院に勤務する精神保健福祉士(Psychiatric Social Worker)として、統合失調症患者と家族に対して、生活の場である自宅へ出向き、下記の項目の直接的・具体的な達成を目標とする課題中心アプローチを用いた介入を行い、目標の達成ができているか評価し、この支援の有用性について検証した。①自主的な服薬の達成(服薬遵守率と入院率の関係)、②家庭生活での役割獲得とその継続の達成、研究の結果、次のことがわかった。①自主的な服薬の達成(決められた薬を決められた時間に自己管理で患者が飲める)に改善がみられた。②家庭生活での役割獲得とその継続に改善がみられた。③自主的な服薬の達成(決められた薬を決められた時間に自己管理で患者が飲める)は再入院を低下させる傾向がみられた。④家庭生活での役割獲得とその継続の達成は、再入院を低下させる傾向がみられた。本研究では、統合失調症患者に対しての訪問によるソーシャルワークを通して前述の結果が明らかになり、その実践の有用性が示された。また、課題中心アプローチを用いたことにより、実践目標の細分化・行動作業・認識作業等の具体的な作業目標の遂行に焦点があてられ、進歩の評価も比較的容易にでき、患者の進歩を誉め、目標達成の意欲も促進できることがわかった。
在宅要介護高齢者の家族介護者における負担感と在宅サービスの相関関係についての研究―韓国の清州市を中心に―
著者:姜 壽男
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p97-106
2015年01月31日発行
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韓国では2008年7月に本格的に介護保険制度が施行された。本研究は、在宅要介護高齢者の在宅サービス利用が家族介護者の介護負担感に対してどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とする。調査対象者は、韓国の清州市における在宅要介護高齢者を介護する家族介護者120人であり、2008年9月18日から10月15日にかけて自記式質問紙による調査を行った。在宅要介護高齢者の在宅サービスの利用と家族介護者の介護負担感との相関関係を分析した結果、在宅サービスのホームヘルプサービスとディサービス利用が家族介護者の負担感に対して有意をみられなかった。家族介護者の負担感には、要介護高齢者IADL、家族介護者の責任感、自由時間と外出頻度が、有意に影響を与えていた。本研究は、介護保険制度が施行された直後の研究であり、今後介護保険制度の理解・周知が深まれば在宅サービス利用も高くなり、家族
介護者の負担感との関連も明らかになると考えられる。本研究では、家族介護者の負担感と在宅サービスとの相関に関して、時間の経過による縦断的研究が必要であることを示唆している。
保育園児を持つ母親の育児不安は夫婦間コミュニケーションによって軽減されるのか
著者:石 晓玲
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第6号(2015.1)p83-95
2015年01月31日発行
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本研究は,家庭生活における夫婦間コミュニケーションの重要性を踏まえ,乳幼児を持つ母親のコミュニケーション・スキル,夫婦間コミュニケーション態度,および母親の育児不安との関連を検討したものである。保育園児(0-6歳)を持つ母親の100名のデータが用いられた。母親の「記号化」というコミュニケーション・スキルは,夫に共感的なコミュニケーション態度を受けやすく、無視・回避的なコミュニケーション態度を受けにくくという認識につながり,それを介し育児不安が低くなるというパス解析の結果が見いだされた。また夫婦間コミュニケーション態度についての階層クラスター分析より、「相互共感群」「母威厳/ 父遠慮群」「父威厳/ 母疎遠群」の3パターンを得られた。「相互共感群」家庭の母親は、ほかの2群より「記号化」「解読」スキルが高く、育児不安が低かった。母親の育児不安は夫婦間コミュニケーションによって軽減されるという結果を踏まえ,今後は子育て支援において効果的な夫婦間コミュニケーションを高めるプログラムの開発の必要性を論じた。
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