[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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マウスを対象とした生薬エキス剤SJSによるSARTストレスおよび寒冷ストレスの緩和作用
著者:栗原 久
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p143-154
2013年03月31日発行
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内服用生薬エキス剤SJSは、100mlあたり、チシマザサ葉の温水抽出液(SS:80ml)、アカマツ葉のエタノール抽出液(RP:0.3g)およびニンジン根のエタノール抽出エキス(PG:0.18g)を混合したものである。本研究では、SART(Specific Alternation Rhythm in Temperature)ストレス誘発痛覚過敏および寒冷ストレス誘発痛覚鈍麻を指標に、SJSのストレス緩和効果を検討した。SARTストレスは、マウスを常温と低温環境への繰り返し暴露(午前9時から午後5時の間は1時間ごとに0℃と24℃の環境に交互に、午後5時から午前9時の間は0℃の環境に持続暴露)を3日間反復することによって誘発した。寒冷ストレスは24時間(午前9時から翌日の午前9時まで)にわたる低温環境への持続的暴露で誘発した。SARTストレス誘発痛覚過敏は、対照群(水道水摂取)よりSJS(10%液、3ヶ月間)摂取群の方が軽微であった。SJSと同様の痛覚過敏に対する緩和効果がSS(8%液)摂取群でも認められたが、RP(0.03g/100ml液)あるいはPG(0.018g/100ml液)摂取群では有意の変化がなかった。寒冷ストレス誘発痛覚鈍麻は、SJS摂取群(10%液、3ヶ月間)で軽減されたが、SS、RP、PGそれぞれの単独摂取群では有意の軽減は確認されなかった。なお、マウスの自発運動は、SARTストレスおよび寒冷ストレスの処置、SJSおよび構成生薬の摂取で変化が生じなかった。これらの結果は、SJSの長期摂取は温度変化によって誘発されるストレスの緩和に有効であることを示唆している。また、SARTストレスに及ぼすSJSの有効性は主としてSSに由来し、寒冷ストレスに対するSJSの有効性は構成生薬の相互作用によってもたらされ、ストレスの種類によって及ぼす構成生薬の寄与が異なると思われる。
教員養成に携わる実務家教員の研究―教員養成政策における「実践的指導力」強調の意味―
著者:攪上 哲夫
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p135-142
2013年03月31日発行
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本研究では、教員養成の分野で、実務家教員が求められてきた理由を明らかにすることを目的とする。大学の自律的な判断として実務家教員を求めてきたのか、反対に、主体的に実務家教員を求めていないのに実務家教員を受け入れてきたとするならば、実務家教員を受け入れてきたのはなぜなのか調査をした。そのため1984年臨時教育審議会第2次答申以降、国の教員養成の方針を示した教育職員養成審議会答申等を精査した。その結果、大学の教員養成に「実践的指導力」を強調することが提起され、その指導者として実務家教員を登用するようになってきた。大学と教育行政との密接な連携が進むようになった
幼児の感情推測強度に表情図の色と大きさが及ぼす影響―保育における効果的な絵本教材の開発に向けた基礎作業として―
著者:戸田 大樹
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p125-134
2013年03月31日発行
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幼児と大人の感情推測強度に表情図の色と大きさが及ぼす影響を証明することを研究目的とした。調査では、幼児に条件別の表情図を呈示し、度合いカードを選択してもらう方法で影響を測定した。また、大人には質問紙法で実施した。調査の結果、第1に、幼児には表情図の色ではなく感情が影響を及ぼすこと、第2に、大人は表情図の色と感情から影響を受けないこと、第3に、表情図の感情と大きさは幼児に影響を与えること、第4に、大人は表情図の感情ではなく大きさから影響を受けること、第5に、喜びと悲しみどちらの表情図群においても、大きさ大条件は大きさ小条件よりも幼児と大人により強い影響を及ぼしていることが認められた。
絵本を活用したVLFプログラムによる向社会性発達実践研究―保育所における試み―
著者:氏家 博子
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p107-124
2013年03月31日発行
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現代社会の少子化や核家族化の影響で、人間関係は希薄になり子どもの世界では、いじめや暴力等深刻な状況であり、子ども期から対人関係のトラブルが多くみられる。その原因のひとつとしてコミュニケーション不足が原因だと思われる。自分の気持ちや考えを相手に伝えることが出来ず、隠顕な攻撃行動をとったりするのだと思われる。そこで本研究では自分の思いを言葉に表わし、行動できるようにVLF(voices of love and freedom :VLF)プログラムを保育に取り入れ、自分の気持ちや考えを相手に理解してもらえるように、主張するスキルを身につけることが必要であると考え実践・研究を行い、問題解決能力を身につけることを目標とするものである。
介護予防に関する知見と課題―介護専門家の視点から抽出した介護予防への評価を中心に―
著者:河野 等
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p89-105
2013年03月31日発行
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本研究では、介護保険制度が改正されて3年が経過した時点における、介護予防に対する現場と研究者からの意見や評価を集約することを主目的とした。調査対象者は、都内・地域包括支援センター(35カ所)で介護予防事業に携わっている社会福祉士・主任ケアマネジャー・保健師の現場・3職種(3×35=105名)105名と、介護予防の研究者をしている関係大学の教授等12名である。調査期間は平成21年1月~2月であった。調査の方法は、質問紙調査法により、介護予防に関する「一筆式+5件法のアンケート調査」を郵送アンケート方式により行った。分析結果として、主に次の3点、を解明することができた。 (1).介護専門家は、介護予防の目的として、何に重点を置いているのか。(2).介護予防において、介護対象者に求められていることは何か。(3).介護を予防するため、介護対象者に段階的(①健康の維持期、②発生の予防期、③障害の予防期、④悪化の予防期)に求められていることは何か。また、以上3点の目的に基づき解明した後に、社会保険の範疇よりシステム的な課題や改革の必要性が示唆された。
自記式健康度調査(THI)による某大学介護コース学生の健康度の経年変化-実習経験による積極性・意欲の変化の可能性-
著者:栗原 久, 荻野基行
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p77-88
2013年03月31日発行
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200X年にA県内B私立大学の介護コースに入学した学生31名(男子15名、女子16名)について、4月の新入生オリエンテーション時、2年進級時、3年進級時、および4年の中間期に質問紙「健康チェック票THI」による健康度評価を行い、時系列変化を分析した。入学時は呼吸器、目や皮膚、消化器、生活不規則性、情緒不安定、抑うつ度の項目で症状の程度が高く、その一方で、直情径行性、攻撃性(積極性)、神経質の程度が低かった。進級につれて、攻撃性(積極性)が高まり、神経質や身体的ストレス度の軽減傾向がみられた。これらの結果は、介護コースを専攻した大部分の学生は、気持ちは優しいがやや積極性に欠け、またメンタル面で弱い傾向があるものの、進級して介護実習を積み重ねるなかで、目的意識が確立して積極性が向上していく状況を示唆している。一方において、実習がうまく行かなかった学生は学習意欲の減退を示す可能性も示唆された。
家族療法理論の登場と進展およびその三つのモデルの比較
著者:洪 金子
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p57-76
2013年03月31日発行
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本論文の一つ目の目的は、多様な家族療法モデルの登場の背景になった理論や実践の流れを解明することにある.そのため、家族療法の登場に大きな影響を及ぼした精神分析理論をはじめ、システム理論などの5つの流れに分けて、家族療法の多様な視点や方法の登場に寄与した点が何であるかを解明する.二つ目の目的は、多様な家族療法モデルの中で、構造派家族療法と精神分析的家族療法そして行動主義家族療法の三つのモデルを比較・分析し、家族療法全般の特徴と実践方法に関する理解を深めることにある.研究結果、家族療法は、家族員の症状の緩和や除去、問題行動の減少、良い関係性や意思疎通の促進、家族システムの再構築や明確な境界の回復など家族の問題を解決するため寄与してきた専門的治療モデルであることを解明した.家族療法は、家族を一つの治療単位にして、家族療法専門家の介入活動を通じて家族の問題解決を援助する非常に有効な治療方法であることが明確になった.精神分析的家族療法モデルは家族員の中、一人の知覚や反応に対して現在よりは過去の対象関係および愛着の対象に重点を置きながら家族員個人の成長を促進するために介入している. ところが、行動主義家族療法モデルは、家族員の現在の問題行動をターゲットにして他の二人のモデルが使う解釈技法の代わりに、新しい経験を通じてその問題行動を軽減するかとり除くように援助している. それに比べて構造派家族療法モデルは、家族の問題を起こす現在の家族内のシステムの構造や境界、家族員相互間の関係性や力の連合などに重点を置きながら、家族の再構造化を目標に、新しい関係の構築、役割の定立および成長を援助するという点で相違点があることを明らかにした.
脳損傷後の高次脳機能障害と家族
著者:先﨑 章
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p49-55
2013年03月31日発行
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高次脳機能障害者や家族への支援の在り方について支援者、専門職種はどのようなことを念頭におかなければならないのであろうか。当事者は支援について、一方的に論理展開されることを嫌う。しかし支援者も日々悩んでおり、なんらかの指針が必要である。現場から学んでほしい、家族の思いをまずは汲んで欲しい、といった要望は当然なこととして、専門家と当事者とが相対立することがないよう支援の道標を得たい。利用を想定される社会資源がなかったり、あってもこれまでのノウハウがなかったり、支援者に前例の経験がなかったり、ということが高次脳機能障害者への対応ではよくあった。そのような中で、精神科リハビリテーションの基本原則の考え方を、脳損傷後の高次脳機能障害者の支援の場合に当てはめて診療、活動していった。
Family Therapy with Asian Families
著者:Marshall Jung
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p33-47
2013年03月31日発行
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My presentation is going to be broken into the five parts. The first part is looking at statistics on the minority population in the Unites States and the implication for them politically and in terms of families. Two will be looking at family and individual interpersonal problems in the cultural context. In the context is that the problems are not necessary due to the individual themselves. There is also influence by the cultural influence on the individual particularly the family.In the Unites States, prior to 1960 the belief was that people cause their own problem. With the influence of social work that began to change. In the emphasis with it was what the society did the individual. So in the 1960’s and 70’, there was tens of the millions dollars spent on social programs to help poverty communities. Did that solve the problems? No. Because we went to the far extreme and that go off personal responsibility. So the issue on social problem is the combination of personal responsibility and governmental support to assist families in need. The third issue I am going to cover is why family therapy. The fourth area is to look at six major problems or common problems that Asian families have. The fifth area is what can social worker and family therapist do to fix the problems.
Substance Abuse Issues in the United States
著者:Constance Horgan
日米高齢者保健福祉学会誌 第5号(2013.3)p3-32
2013年03月31日発行
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I’d like to thank my hosts, Tokyo University of Social Welfare and the Japanese and American Institute of Gerontology. It is a great honor to be invited to speak to you. I came to this country to attend an international conference on alcoholism in Sapporo. I learned a lot about alcohol problems around the world including Japan. Today, I will be telling you a story about substance abuse in American society. It is a story about both problems and some of the successes in dealing with substance abuse. Today’s presentation has four parts. First, I will give you an overview about the context of substance abuse in the United States. Second, I will describe patterns of use, in another words, how big is the problem. Third, I will talk about the consequences of use, in another words, what is the impact. Forth, I will be speaking about reduction in addiction, in another words, what are we doing about it.
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