[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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「精神障害者の自立支援の研究」-歴史的展開及び福祉サービスの新たな展開について-
著者:柴田 覚
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p157-174
2008年03月31日発行
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日本における精神障害者を含む障害保健福祉施策は大きく変わろうとしている。これまで障害者の福祉サービスは、障害別に提供されてきた。しかし、「障害者自立支援法」によって、精神障害者も含む共通の福祉サービスとなった。このことにより、他障害と共通する福祉サービスと精神障害者分野に固有の施策を整理する必要がある。本稿では、精神障害者の自立支援にいたる歩みをまとめるとともに、精神障害者施策の概要をまとめた。そして、これまでの精神障害者の福祉サービスの中の新サービスへと移行するものに限定して、どのように移行するのかのモデル例を提示するとともに、その課題をまとめ、最後に精神障害者自立支援の構造を示した。
田七人参の薬理活性物質の探索-薄層および高速液体クロマトグラフィーによる田七人参と人参の成分の比較分析-
著者:栗原 久,丸山 悠司,赤瀬 智子,嶋田 努,油田 正樹
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p145-155
2008年03月31日発行
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薄層クロマトグラフィー(TLC)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、田七ニンジン(田七人参:Panax notoginseng F.H.Chen)およびオタネニンジン(人参:Panax ginseng C.A.Meyer)の各メタノール(MeOH)抽出液中の成分について比較検討した。田七人参にはginsenoside Rb1、Rd、Re、Rg1 およびRg2 が確認され、人参と比較して、ginsenoside Rg1 の含有量が著しく高く、ginsenoside Rb1、Rd、Re およびRg2 の含有量も高かった。その他にも田七人参では、人参にはない特異なスポットが、Rf 値0.38 から0.6 の範囲に7 個認められ、さらに、HPLC でginsenoside 類ではない成分Xが検出された。しかし、田七人参からは、ginsenoside Rb2、Rb3、Rc、Rf、Roは検出されなかった。これらの成分分析の結果を総括すると、田七人参と人参のginsenoside類の構成比は明らかに異なり、また別種成分も含まれており、このような違いが田七人参の薬理作用を特徴づけている可能性がある。
Effect of Household Composition and Some Health Indices on Mortality Risk in Middle-aged Japanese from a Seven-Year Cohort Study(7年間コーホート調査による中高年の死亡リスクに世帯構成と健康指標が及ぼす影響)
著者:金 貞任,大谷 哲也,岩崎 基,笹澤 吉明,小山 洋,鈴木 路子,鈴木 庄亮
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p131-144
2008年03月31日発行
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BACKGROUND: We examined whether mortality risk of middle-aged and older adults residents was influenced by household composition and some other health indices such as, BMI, perceived health, depression, and others. METHODS: The population aged 40-69 years living in Komochi Village (N=4,501) and Isesaki City (N=7,064) of Gunma Prefecture, located at 100 km north of Tokyo in 1993. Respondents completed a self-administered questionnaire, THI, and all causes of deaths of the cohort were recorded from 1993 until 2000. The Cox proportional hazards model was used to compute relative risk (RR) with 95% confidence intervals (CIs). RESULTS: Mortality risk of men was significantly higher among those living alone (RR=1.82, 95%CI: 1.1-3.0) or living with a spouse (RR=1.37, 95%CI: 1.0-1.9). An increased mortality risk in both sexes was also observed for those with “poor” or “very poor” perceived health status (men, RR=2.84, 95%CI: 2.1-3.8; women, RR=2.07, 95%CI: 1.3-3.3), and for those sleep more than 8 hours a day (men, RR=1.50, 95%CI: 1.2-2.0; women, RR=2.07, 95%CI: 1.3-3.4). Mortality risk was also significantly lower in both sexes among those with BMIs of 18.5≤BMI<22 (men, RR=0.53, 95%CI: 0.4-0.8; women, RR=0.51, 95%CI: 0.3-0.9), and those who had health examinations in the past three years (men, RR=0.67, 95%CI: 0.5-0.9; women, RR=0.45, 95%CI: 0.3-0.7). CONCLUSIONS: Both household composition and some of the health indices were good indicators of the mortality risk for middle-aged and older adults. The importance should be stressed of the household composition and some health indices for decreasing the mortality risk and improving the quality of life in the middle-aged and older adults .
生存権の系譜-ルソーの思想に見る生存権の萌芽-
著者:加瀬 介朗
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p119-129
2008年03月31日発行
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我々日本国民は、現在、日本国憲法によって自由・平等の権利に加え、社会権(生存権)が基本的人権として保障されている。自由と平等の権利は、近代自然法論に基づく社会契約説に根拠が求められているが、生存権の根拠は未だ明確化されていない。通説によると、「産業革命以後の資本主義社会における富める者と貧しい者との経済的格差を是正するために生存権が誕生した」とされている。また、フランス革命期の人権宣言や憲法に生存権の萌芽を見ることができると言われている。しかし、それ以前のフランス革命の啓蒙思想家ジャン・ジャック・ルソーの自然法論に基づく社会契約説に生存権の根拠と萌芽が認められるのである。そこで、この論文では、通説とは異なり、ルソーの自然法論に基づく社会契約説に生存権の根拠が存在すること、また、ここに生存権の萌芽が認められることを論証するものである。
在宅高齢者における一般的セルフ・エフィカシーとソーシャル・サポートとの関連
著者:小柳 達也
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p105-118
2008年03月31日発行
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本研究は、在宅高齢者の一般的セルフ・エフィカシーとソーシャル・サポートとの関連について、サポートの源泉別および内容・種類別に実証することを目的としている。調査対象者は、東京都A村の在宅高齢者である。調査期間は、2007(平成19)年10月1日から10月31日までの1 か月間であった。調査方法は、A 村「住民基本台帳の写し」から無作為抽出法により選択された499人を対象に郵送法による自記式質問紙調査を行った。記入すべき項目に欠損がない者のみを対象とし、246票(49.3%)が分析の対象となった。分析の結果、「家族からの情緒的サポート」「家族からの手段的サポート」「近隣・友人からの情緒的サポート」が一般的セルフ・エフィカシーを規定する要因であった。
わが国における幼稚園と保育所の歴史的経緯と近年の動向-認定こども園の発足と展望-
著者:小田 憲三
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p91-103
2008年03月31日発行
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わが国においては、小学校就学前の子どもの一部は、学校教育法に定められている3 歳児入園の幼稚園で教育を受けている。また、一部は児童福祉法に定められている0 歳児から就学始期前の子どもが通所する保育所において保育を受けている。いわゆる幼保二次元化の状態にある。幼稚園は文部科学省の所管する学校であり、保育所は厚生労働省の所管する児童福祉施設である。同じ就学始期前の子どもでありながら、中央政府のレべルにおいて二元化されており、地方政府においても幼稚園は教育委員会、保育所は社会福祉部局において取り扱われている。同じ年齢層の子どもであるにもかかわらず、地域や母親の就労の有無などによって、ある子どもは幼稚園に、またある子どもは保育所に通うというのは不公平だという指摘がなされてきた。こういった問題にたいして、近年の少子化傾向のなかで、幼稚園が廃園になったり、働く母親の増加によって保育所待機児童が増えるようになっている。従来の幼稚園と保育所のあり方が見直されるようになった。2001 年(平成18)6 月に国会で成立した「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な推進に関する法律」(以下「就学前教育保育法」という)においては、新しく幼稚園と保育所との機能をあわせもつ認定こども園の開設がなされることになり、すでに一部で実施に移されている。このような動向を踏まえながら、今後の就学前の教育と保育の課題を検討する。
“低炭素社会” 化を促進する<基油(50):水分(50)= O / W型>の新しいエマルジョン燃料の開発とその低公害性と高熱量効果―京都議定書、第一約束期間(2008-2012)におけるカーボン・オフセットへの提言
著者:小川 誠一,諸山 信弘,深井 利春
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p67-89
2008年03月31日発行
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エマルジョン燃料の組成上で極端な< O(基油50)/ W(水分50)型>にしても高水準の燃焼効果が得られ、さらに顕著な低公害性を観測した。乳化剤に植物成分を用い高い分散効果が得られ、水を主体とした代替燃料の製造技法を確立した。従来の既存のエマルジョン燃料の実用化の不成功の原因の一つは希釈水の選択にあったので水に物理化学的な特性を賦与したことで大きな燃焼効果が得られた。
生活分析的カウンセリング法の研究-LAC法の効果測定と集団施行に対する試案-
著者:大島 朗生,松原 達哉
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p55-66
2008年03月31日発行
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本研究では、LAC法実施者がLAC法の集団施行に際してどのような実感を抱いているかを測定することを目的としている。LAC 法の集団施行では、student apathy 状態ではない学生も対象に含まれる。そこで、student apathy 状態にない普通の学生が、LAC 法の集団施行後、どのようなLAC 法の効果を自覚できているかを調査することで、LAC 法そのものの効果の検証のみならず、LAC法の集団施行に対しても大きな示唆が得られると考えて研究を計画した。結果として、LAC 法の特徴として松原が挙げている項目に相当すると思われる、「生活行動の分析」、「現在の生活重視」、「具体性」、「目標の視覚化・明確化」、「洞察」、「feedback による自立学習」などに相当すると思われる項目が高得点を得た。具体的には、「頭で考えているだけではなく、目で見るので整理ができた」や「作成後、やるべきことが明確になった(明確化)」という項目が高得点を得た。LAC 法の集団施行の目的は「複数の機会の提供」である。LAC 法では、LAC 法の集団施行を1つの契機として、LAC法を個人面接へとつなげていくという活用も期待できる。
大学院付属心理相談室と地域スクールカウンセラーの相互援助・協力体制の研究1
著者:大澤 靖彦,石川 清子,原 千恵子,手島 茂樹,渡邉 映子,松坂 秀雄,柳澤 利之,山極 和佳,新井 雅人,高井 順子,村上 典子,作本 真知子,杉田 英津子,菅井 飛鳥
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p23-53
2008年03月31日発行
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本研究は、大学及び大学院付属心理相談室の地域援助の一方法として、小・中学校のスクールカウンセラーとの相互援助・協力体制を探索しようとするものである。大学院付属心理相談室はスクールカウンセラーに対してコンサルテーションやスーパーヴィジョン、児童相談所・生徒の保護者に対するコンサルテーションやカウンセリングなどを提供することが可能である。一方、スクールカウンセラーおよび所属する小・中学校は、大学に対して大学院生の実習先として有用な場を提供でき、実習生というアシスタントを得ることができる。これらの相互支援を中心に、さらにどのような相互援助・協力が可能であり、双方の業務の質的および量的向上にどのように資することができるかを検証する。本研究は、2004 年度に研究プロジェクト参加校7 校(中学校3 校、小学校4 校)でスタートした。翌2005 年度のプロジェクト参加校は10 校(中学校4 校、小学校6 校)となった。2006 年度においては幼稚園1 園、小学校5 校、中学校各4 校、計10 校で研究プロジェクトを行った。本研究から明らかになった学校からの要望は、校種によって異なっていた。幼稚園からの要請は、外国籍の園児に対する遊びや生活適応のための支援であった。小学校からの要請は、軽度発達障害児への学習支援であり、特に一斉授業の中での学習援助であった。中学校においては、主として相談室の運営に関るものであった。中学校でのスクールカウンセラーや教育相談担当の教員等が不在の際に、相談室登校をする生徒への対応が求められた。一方、学生側のメリットとしては、学校におけるカウンセリングの位置づけや学校文化の理解が深まった。さらに、小学校では軽度発達障害児の理解、特に認知の偏りに対してどのような援助が必要なのかを考えられる機会となった。また、中学校では大学院で勉強した面接の技法を日常生活の雑談の中に取り入れ生徒とのラポールの形成に役立てたことがあげられる。学生が地域に出て行くことで、双方のメリットになることが明らかになったが、今後の課題として学生のスキルアップと教員のバックアップに力を注ぐ必要がある。
日本人の「倫理」とアメリカ人の「ethics」―日米倫理綱領の比較―
著者:海老田 大五朗
日米高齢者保健福祉学会誌 第3号(2008.3)p3-15
2008年03月31日発行
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本論文では、日本人が倫理ethicsというものをどのようにとらえているかを考察した上で、社団法人日本社会福祉士会(the Japanese Association of Certified Social Workers: JACSW)と全米ソーシャルワーカー協会(the National Association of Social Workers: NASW)の倫理綱領を比較し、今後の日本における倫理綱領のあり方を示唆した。日本人は一般的にアメリカ人と比べ、倫理による行動の抑制ができない。その理由としては、端的に言うと文化差による。しかし、何が人の行動に影響を与えるかについての最も大きな日米の差異は、倫理ethics という概念が日本人によって正確に理解されていないという事実に見られる。これは日米の倫理綱領の比較により明らかになった。今後、日本の倫理綱領を考えるときには、倫理ethicsの要点を的確に理解し、倫理と法律などの位置づけを明確にすることが重要である。
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