[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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海南医学院短期留学実施報告-グローバルな視点を養う-
著者:宮城 淳弘
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p75-80
2020年09月30日発行
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中国海南島にある海南医学院での短期留学は、理学・作業名古屋専門学校独自の研修のひとつである。その目的は、①献体解剖実習、②附属病院・地域病院見学、③学生間交流、④市街地散策などである。海南医学院は、海南島海口市にある医学専門の単科公立大学で60余年の歴史がある。本校は2013年から第1回研修を行っており今年度で第8回となる。また、筆者は毎回同行している。研修を終えた学生からは、「筋肉や臓器などに触れ、人の身体のことを一層深く理解できました。大きな経験となりました」という感想があり解剖学の知識向上に繋がるなど、研修の成果も聞かれた。また本目的のひとつである市街地散策においては、海南料理を賞味し、騎楼街にてショッピング、白砂公園にてバギー試乗など、充実した体験ができたと思われる。本研修に参加することで、異文化に触れ、グローバルな視点を養い、向学心を高める研修であることが示唆された。
大学生のアルバイト時間と心身の総合的健康度との関連-男女差について-
著者:浅井 恭子・栗原 久
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p63-74
2020年09月30日発行
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本研究の目的は、G県I市にキャンパスを持つ文系の私立T 大学の学生を対象に、心身の健康状態とアルバイト時間との相関性を検討することにある。対象者は男子学生136人(1年75人、2年23人、3年38人)、女子学生233人(1年163人、2年41人、3年29人) で、春学期終了直前の2016年9月に調査が行われた。質問紙「健康チェック票THI」は心身・行動面の症状に関連する130問の質問で構成され、質問に対する「はい」、「どちらでもない」、「いいえ」の回答に対して、それぞれ3、2、1 点を与え、16項目の症状に振り分けて積算した。症状尺度得点をTHI 解析ソフトにて分析し、男女間の比較、およびアルバイト時間との相関性を検討した。1) 70%強の学生がアルバイトを行っており、頻度は2~4時間/日が多く、最長は男子学生で8.5時間/日、女子学生で10時間/日で、平均アルバイ時間は2年生女子が長かった。しかし、アルバイト時間の全般的分布は男女間でほぼ同じであった。2) 症状尺度得点は、男子学生より女子学生の方が高い傾向がみられた。3) アルバイト時間と症状尺度得点との相関性については一定方向性がなかった。しかし、いくつかの項目では、修学に影響することが示唆された。これらの結果は、学生のアルバイトが心身両面の健康状態に対してプラスとマイナスの両面の影響があること、また、影響は男女差があり、2年生女子において影響が強い可能性を示唆している。
高齢者における認知症からの介護予防政策の方向性について-うつ状態との関連性を踏まえて-
著者:河野 等
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p53-62
2020年09月30日発行
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現在、高齢者の要介護の主原因として、「脳卒中」や「フレイル」と並び大きな位置を占めるのが「認知症」である。老年医学、精神医学の両面からも「うつ状態」と共に考えていかなければならない点が介護予防上の課題としてあげられる。この介護予防上の課題をクリアしていくための、介護予防政策としての目指すべき方向性について探究した。過去の研究報告や実践報告などを踏まえ考察したところ、斯様な介護予防の方向性としては、運動不足解消のための<保健分野>からはじまり<介護・福祉分野>、<医療分野>、更に新たに精神療法アプローチ等を含む<心理分野>をも加えた、総合的介護予防政策が、今後必要とされることが確認できた。
カフェインの精神薬理作用と日本におけるカフェイン関連歌謡曲との関係
著者:栗原 久
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p33-51
2020年09月30日発行
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本稿では、第1 章において①カフェインの概要、②カフェインの作用機序、③カフェイン含有製品、④精神薬理作用(行動遂行・疲労感、注意力覚醒・安全確保、作業記憶、気分)、⑤過剰摂取の問題(急性毒性、不眠、不安、精神毒性、カフェインの依存性と離脱症状、アルコールとカフェインの相互作用)について概説し、それに基づいて第II章において、カフェイン関連の歌謡曲の時代変遷との関連を考察した。①第二次世界大戦以前から1960 年代までは、カフェイン含有飲料(コーヒー、紅茶)の摂取は人間関係の維持・向上、あるいは眠気覚ましといったパフォーマンスの維持や回復が目的であった。②2000 年頃からコーヒーや茶葉中のポリフェノール類の健康効果を取り上げた歌が登場し、③近年ではカフェインそのものの精神刺激作用による通常を上回るパフォーマンスを期待する歌まであった。これらカフェイン関連の歌の変遷は、基本的にはその精神薬理作用に基づいているが、社会情勢の変化を反映し、特に近年では、深夜労働を含む働き方と関係するといえる。
The Risk Factors for Mortality in Frail Persons at Homes and Care Facilities : Results Based on A 4-year Longitudinal Study in Japan
著者:金 貞任
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p17-31
2020年09月30日発行
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Objective:The levels of care needs based on bedridden status activities of daily living (ADL) for those who dementia have been found to predict mortality in persons aged 65 years and older but have not been examined. The study examined the risk factor of mortality for frail persons in the lower level of care needs subgroup, and the higher level of care needs subgroup at homes and care facilities over a 4-year period. Subjects and Methods:I used panel data from Izumo City in Shimane prefecture about frail persons with certified levels of care (support) needs between 2000 and 2004. In total, 2,550 frail persons with certified levels of care (support) needs were included in the study. Results:At the 4-year follow up, 776 participants had died at home while 302 participants had died in care fertilities. In the lower level of care needs and the higher level of care needs subgroup, the frail persons who had independent living and housebound A, and in the higher level of care needs subgroup, frail persons who had bedridden B were associated with a significantly lower risk of mortality at homes. In contrast, in the higher level of care needs subgroup, frail persons with a very mildcognitive impairment, a mild dementia, and a moderate dementia than frail persons with severe dementia of the ADL levels, and bedridden B were significantly lower risk of mortality only in care facilities. Conclusion:The study identified mobility/bedridden status at homes, and ADL levels for frail persons with dementia in care facilities, as risk factors for death. To reduce mortality risk, family, Care workers, and community-based care professionals work to improv the quality of end of life care and physical and cognitive functioning of frail persons.
社会を映す女子刑務所~求められる司法と福祉の連携~
著者:堂本 暁子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)p3-16
2020年09月30日発行
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第10巻目次
著者:堂本 暁子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第10巻(2020.9)
2020年09月30日発行
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第9巻奥付
著者:堂本 暁子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)
2019年11月30日発行
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平成30年度茶屋四郎次郎記念学術研究発表会
著者:堂本 暁子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p109-118
2019年11月30日発行
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高齢者の閉じこもり対応における介護予防政策に関する一考察-心理的アプローチも踏まえて-
著者:河野 等
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p97-108
2019年11月30日発行
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本報告では、介護予防的見地から重要な位置を占める閉じこもり高齢者への対応について、その時期とタイミングを踏まえつつ、心理的側面も考慮に入れた有効なアプローチ方法を検討・考察していくことをねらいとした。2つの視点から検討したが、1つは閉じこもり予備軍の段階(二次予防)、もう1つは閉じこもり初期の段階(三次予防)における介護予防的対応であった。そしてその双方の時期においてすでに、心理療法「ライフレビュー(人生の回想)を活用した訪問型介護予防プログラム」が地域支援事業で実施されてきており、少しずつその効果が報告されてきている。今後はさらに中・長期的視点からみて、高齢者の閉じこもり予防・支援用に改定した「閉じこもり予防版・認知(行動)療法」や「閉じこもり予防版・行動変容アプローチ」等の心理療法的介護予防プログラムが研究・開発され、将来の介護予防(閉じこもり対応)の現場に活用されていくことが望ましいと考えるに至った。
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