[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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コミュニケーション能力と小学校英語活動-実証研究から見た児童の英語力の伸長
著者:志手 和行
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p83-96
2019年11月30日発行
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本稿は湯川・高梨・小山(2009)、植松・佐藤・伊藤(2013)、長谷川(2013)という3つの実証研究の結果を概観することで、技能面における小学生の英語力伸長に焦点を当てている。英語力はBachman and Palmer (1996) のコミュニケーション能力モデルの枠組みで各研究結果を捉え直した。結果として小学生の英語力について3つのことが汲み取れた。1.週1回の頻度で実施される授業を通じてでさえ、小学生の英語コミュニケーション能力のうち聞く技能における文法能力に関して伸長が期待できる。2.小学生の英語コミュニケーション能力のうち聞く技能におけるテクスト能力は、学校間の取り組みによって力の差が出やすいと考えられる。3.小学生の英語コミュニケーション能力のうち話す技能における方略能力は、児童のコミュニケーションを促す上で大きな役割を持つ。
ベトナムにおける公的年金制度の加入意識に関する研究―バクジャン省の中高年者を中心に―
著者:グエン ティ トエン
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p71-82
2019年11月30日発行
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本研究では、ベトナムの中高年者を対象に、公的年金制度への加入意識に関連する要因を明らかにすることを目的とした。調査対象者は、ベトナムのバクジャン省における40歳以上の中高年者とした。調査期間は、2016年7月20日~ 8月6日とした。調査方法は高校3年生を通じて調査票を配布し、回収されたデータは、252ケース(回収率84%) であり、それらが分析の対象となった。公的年金制度への加入に対する中高年者の意識に関連する要因を明らかにするために重回帰分析を行った。その結果、公的年金制度への加入意識には、学歴、世帯人数、公的年金への関心度、収入に占める保険料が統計学的に有意な関連があることが明らかになった。ベトナムの公的年金制度を普及させるためには、学校教育や市民講座などを通して公的年金制度の有効性を知らせることが重要であると考える。
中国におけるリバース・モーゲージ制度に関する基礎研究-制度の展開に向けて-
著者:魏 小玉
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p57-70
2019年11月30日発行
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中国では社会発展に伴い、高齢者の扶養問題が一層厳しくなっている。若者の中には自分の生活のために親を扶養できないケースが多く、膨大な人口を抱える中国では様々な扶養手段が求められている。リバース・モーゲージ制度はその一つとして2014年に開始された。同制度に関する先行研究では、その展開において指摘される三大リスク以外にも、土地の所有権や法律の未整備、国民の伝統意識が中国における展開を妨げる要因として挙げている。本稿は、中国の4都市でリバース・モーゲージ制度に対する国民意識についてアンケート調査を実施し、その結果から同制度に対する国民の認知度は低いものの、実施においては必ずしも抵抗しているわけではないことを明らかにした。それを踏まえ、同制度の展開に向けて「親しみやすい用語による普及啓発」、「土地使用権に関する法律の整備と住宅の価値評価の仕組みづくり」、「公的年金制度との連携」の三点を提言した。
精神障害をもつ在日中国人における「生活のしづらさ」-中国語精神科専門外来から-
著者:李 亭
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p39-55
2019年11月30日発行
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本研究では、精神障害をもつ在日中国人における「生活のしづらさ」を検討することが目的である。中国語精神科専門外来に通院中の30 名の精神障害をもつ在日中国人を対象に半構造化面接を行い、木下による修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した。その結果、20個の概念、9個のサブ・カテゴリー、4個のカテゴリー、および7対の対極概念を見出すことができた。 精神障害をもつ在日中国人における「生活のしづらさ」の形成要因は主に、言語の不自由による受診の困難さ、精神障害がもたらす様々な活動制限と参加制約、孤立された生活環境の中で生じた否定的な態度、異文化への不理解などであった。他方、現在の中国と比べ、日本の医療・食品・環境・サービスに対する安心感、生活保護・自立支援・年金給付に対する満足感などの「生活のしやすさ」も実感していることが明らかになった。
「福の神」になった仙台四郎-その事実と虚像-
著者:大澤 史伸
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p27-37
2019年11月30日発行
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本論文は、主に仙台の飲食店等でその写真が飾られ、商売繁盛をもたらすと言われている「福の神」仙台四郎という人物の実像と虚像について明らかにすることを目的とする。その実像は、江戸末期に知的障害をもって生まれ、明治時代を生きた人物である。不思議と四郎が立ち寄った店はその後、繁昌をするという噂が流れるようになる。四郎は、お金をもたらす「福の神」として、徐々に、料亭・芸妓屋・旅館等で受け入れられるようになる。本論文では、その理由についていくつかの側面から考察した。その結果、彼を受け入れたと思われる人々もまた四郎と同じように、社会の片隅に追いやられていた人々であったことが明らかになった。四郎の生涯は、「福の神」として人々に重宝がられるという一面をもちつつ、一方で、侮蔑と嘲笑の対象でもあったことが示唆される。
表現としての「つぶやき歌」の一研究~3歳児の延長保育での遊びを通して~
著者:山口 惠美子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p13-26
2019年11月30日発行
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子どもの表出活動としての独自の発声は「つぶやき歌」とも言われる。子どもの自然の発声の実態を明らかにすることは、幼児の表現活動の研究において重要であると考える。つぶやき歌を採取し、音声(音響)の特性、発現状況、子どもの内面的要因等を明らかにすることを目的とした。保育園の延長保育園児、3歳児15名を対象に、遊んでいるときの声をICレコーダーに録音し、つぶやき歌発現の回数が多かった4名について、つぶやき歌の音響の特性、発生状況エピソード記録の分析をした。つぶやき歌の発現においては、子どもの感情や周りの状況が大きく影響し、音響にも特徴があることが認められた。
肺癌の診断と治療—最近の動向
著者:河野 匡
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p3-12
2019年11月30日発行
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巻頭言
著者:植地 正文
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)p1-2
2019年11月30日発行
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第9巻目次
著者:植地 正文
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第9巻(2019.11)
2019年11月30日発行
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第8巻奥付
著者:植地 正文
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第8巻(2018.3)
2018年03月31日発行
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