学術機関リポジトリ
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「行為を通して学ぶ子ども」におけるアクティブラーニング-教材教具を通した個別学習の実践から-
著者:立松 英子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第8巻(2018.3)p13-21
2018年03月31日発行
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新しい学習指導要領では、「アクティブ・ラーニング」を視点として、不断の授業改善が求められる。本論文では、知的障害、特に言語交流が困難な子どもの教育における「アクティブ・ラーニング」の具体的手だてについて検討した。「アクティブ・ラーニング」の要件である「主体的・対話的で深い学び」の実現に関して、触覚と運動を通した働きかけの重要性を指摘し、教具を使った「主体的」で「対話的」な学びとその「深まり」について、発達特性を踏まえて実践的に論じた。
中国のデイサービスの介護従事者の人材育成の尺度に関する研究-中国都市部の介護職員を対象に―
著者:牟 麗娜
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第7巻(2017.1)p157-169
2017年01月31日発行
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本研究では、中国のデイサービスの介護従事者の介護の質の向上と介護サービスのキャリアアップのために、介護従事者の人材育成を総合的に評価可能な介護人材育成尺度の開発を目的とした。介護人材育成に関しては、日本の厚生労働省が作成した「職業能力評価基準」と「介護の雇用管理改善CHECK&DO 25」尺度を用い、その信頼性と妥当性の検証をした上で、中国での応用可能性を検証した。調査の対象者は、長春市の都市部におけるデイサービスセンターの介護従事者240人無作為抽出した。調査期間は、2015年7月~8月、郵送調査法を実施し、有効回答の161票(67%)が分析の対象となった。分析の結果、介護人材育成の尺度「職業能力評価基準」は信頼性と妥当性が確認された。中国でのデイサービス介護従事者を対象に利用しても問題がないと考えられた。「雇用管理」尺度は信頼性が確認されたが、妥当性について、今後更なる検討が必要である。
水溶液の均一性の見方を科学的に高める指導法の視点-「食塩水の濃さに関する調査」を通して―
著者:若崎 光美
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第7巻(2017.1)p147-156
2017年01月31日発行
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水溶液の均一性を学習する上で,溶質の元の形が無くなることや目に見えない溶質の存在をイメージすることの困難さが,均一性の見方を科学的に高めることに影響を及ぼしていると考えられる。本研究では,小・中学生を対象に「食塩水の濃さに関する調査」を行い,均一性の見方を科学的に高めるために克服しなければならない要因を解明し,小学校における水溶液の学習指導の見直しとその改善に寄与することを試みた。調査の結果,小学生約7割,中学生約6割の児童生徒が「飽和食塩水をしばらく置くと,見えない食塩が下にたまり,濃くなる」と考えている。そして「目に見えない食塩にも重さがあるから下に落ちていく」というように「質量保存」を根拠としていることが明らかとなった。このような考え方が均一性の見方が科学的に高まっていかない大きな要因であるととらえ,現行の教育課程において,小学校5年生から開始される水溶液の学習内容に加えて,「食塩水の濃さと重さの関係性」などについて学ぶことの意義を論じ,水溶液の均一性の見方を科学的に高めるための学習指導の視点を提言した。
私たちは東京福祉大学・大学院紀要(2015年、第6号、p147~p154)において、CADL(文化的日常生活動作)とBPSDとの間には弱いながらも相関関係がみられることから、生きがいをもつことや日々の生活に心地よさを感じることで、BPSDの改善につながる可能性が考えられることを報告した。認知症の人の怒りは、不用意な対応や発言から起因することが多く、不安や焦燥を理解し不適切な刺激を減らすことで興奮性を減らすことが可能になるとされている。このようなBPSDに対しての非薬物療法として、私たちが報告した日々の生活に心地よさを感じることができる現場での実践方法はどのようにすればよいのであろうか。最近、認知症の方の立場にたった優しさの伝わる介護方法として、ユマニチュードケアの実践がなされている。今回は心地よいケアのための実践方法として、ユマニチュードケアを紹介する。
児童虐待発生のリスク要因と考えられている一つに親の精神疾患がある。特に生後すぐに愛着を育む対象となる母親の病気が、子どもに与える影響は大きい。さらに、母子間に関わる人が少ないほど母親の不調は子どもの発達、成長に影響を及ぼす。精神疾患を持つ母親の育児支援についての論文をレビューし、その支援の在り方を考察した。領域を超えた多機関による連携の必要性はいずれの論文でも述べられていたが、児童福祉と精神科医療・福祉の間に存在する支援焦点のずれが良質な支援を展開する妨げとなっていることが示唆された。
河井道、伊東静江における女子農業教育の思想と実践―創始者の理念継承の問題に関する一考察―
著者:大澤 史伸
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第7巻(2017.1)p109-129
2017年01月31日発行
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本論文では、河井道によって創設をされた、恵泉女子農芸専門学校、伊東静江によって創設をされた大和女子農芸専門学校の事例を通して、創始者のどのような理念に基づき、女子農業教育を行うようになったのか、創始者亡き後、その理念をどのような形で引き継ぎ、現在に至るまで教育を行っているのかという、理念継承の問題について考察をしている。恵泉女子農芸専門学校、大和女子農芸専門学校は、戦後、新制の短期大学になった。両校の共通点としては、(1)創立者が女性キリスト者であり、教育の柱をキリスト教に置いていること、(2)実際的な専門職に重きを置く高度専門職養成を目指す女子教育を行ったこと、(3)人的ネットワークの有効活用をしたこと、を挙げることができる。また、相違点としては、(1)恵泉女学園短期大学が短期大学を廃止し、4年制大学の中で社会園芸学科を設置したこと、(2)大和農芸家政短期大学は、農業系2学科を廃止して、幼児教育学科への1本化を行ったこと、を挙げることができる。本事例の場合は、2つの私立学校が創始者亡き後、理事会を中心にして、建学の精神に立ち返りながら様々な議論をして、「創始者の求めた理念」をその時代時代に合った形で理念継承を行っている姿を見ることができ、理念継承においては「選択と集中」が重要であることが明らかになった。
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