[日本学術会議協力学術研究団体]茶屋四郎次郎記念学術学会

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第13巻奥付 茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)
2023年07月31日発行
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令和4年度茶屋四郎次郎記念学術学会研究発表会 茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p135-143
2023年07月31日発行
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放課後等デイサービスにおける認知発達評価の意義―職員の専門性向上に関連して―
著者:立松 英子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p123-134
2023年07月31日発行
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放課後等デイサービスは、今後も利用者数の増大が見込まれる障害児のための通所サービスである。療育の場として位置付けられている一方で、年齢、障害の種類や程度、利用実態の多様性を背景に、実際に何をどのように行うのかは示されていない。本研究では、既存の知能検査や適応行動尺度で下限を示す子どもの認知発達をカテゴライズし、直接支援者が主体的に対応を調節するための視点を提供することを目的とした。3 名の対象に認知発達評価を行い、3 次元の教具による個別学習を実施し、教具の扱いに現れる認知の特徴を観察した。全員がピアジェの感覚運動期に相当したが、各々認知発達段階が異なることが示された。対象の認知空間の狭さや要求行動の段階別違いが明らかになり、絵カードに依存していた伝達手段は、物を媒介とするように療育方針が変わった。物の操作に現れる認知発達の特徴は、直接支援において職員の専門性を高める重要な視点の1つといえる。
親との死別を経験した看護職の死生観とターミナルケア態度に関する研究
著者:髙橋 真由美
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p109-122
2023年07月31日発行
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本研究は、親との死別を経験した看護職の死生観やターミナルケア態度にはどのような特徴がみられるかを明らかにすることを目的とし、現役の看護職を対象に臨老式死生観尺度、ターミナルケア態度尺度日本語版を用い、親との死別経験の有無による2 群の差の検討を行った。その結果、ターミナルケア態度尺度の下位尺度「死にゆく患者へのケアの前向きさ」に有意差が認められた。また親との死別を経験した看護職のみを対象とした分析では、各下位尺度において臨老式死生観尺度の「死への恐怖・不安」と「死への関心」に有意な正の相関、ターミナルケア態度尺度の「死にゆく患者へのケアの前向きさ」と「患者・家族を中心とするケアの認識」に有意な負の相関が認められた。以上のことから、看護職にとって親との死別経験は死に対する考えに影響を与え、ターミナルケアにおいては前向きになれない状況や、家族の負担の軽減を考慮するなど看護業務に変化があることが示唆された。
学級編制基準引下げを考える―学級編制規模の縮小による教育効果に着目して―
著者:簑輪 欣房
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p97-108
2023年07月31日発行
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学級編制規模と「学力」の因果関係を明らかにした研究として、学級規模が学力に与える因果関係があることを報告している研究は数多くあるが、学級規模が学力にどのような影響を与えるかについては今後も事例研究が必要である。2025 年には小学校の全ての学年が35 人学級への移行を踏まえ、少人数学級になることで教室のスペ-スの確保や学習支援など教育効果への様々な期待がある。少人数学級では多様な意見が出にくいなどもあり、少人数学級の教育効果についてはもう少し検証が必要である。そして、子どもの学力の向上など見える教育効果だけでなく、「個は集団によって磨かれ育てられていく」のことばが表すように、学級規模をただ縮小すればよいのではなく児童生徒たちの集団環境をどうするのかを真剣に検討する事が教育関係者に求められている。また、教員の働き方への影響など見えにくいことにも着目し、少人数学級の教育効果を今後も検討する必要がある。
外国人介護福祉士の定着・活用に関する研究―在留資格「介護」を取得した留学生の事例―
著者:王 翰博
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p79-96
2023年07月31日発行
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【背景】日本における介護人材の不足を解消するためには、介護福祉士を取得した外国人を日本に定着させることが必要である。本研究では離職に至る心身状態を測るために外国人の介護福祉士1 人にバーンアウト尺度を用いたインタビューを行った。
【結果】対象者の離職はバーンアウトと強い因果関係があるとは言えない。事例で明らかになった主な離職原因は職員間の人間関係に対する不満、及び不満の種を放任する事業所側の不作為問題であった。離職から帰国に至った理由は合計8 社に及ぶ転職活動が全て失敗したことであった。転職を求める目的は異なる職場環境、処遇の改善、新たなスキル学習であった。
【結論】外国人介護福祉士を介護事業所に定着させるためには人間関係と職場環境を改善し続ける必要がある。日本の介護労働市場への定着を促すために、専門的である第三者によるキャリアアップ相談、転職支援の体制が重要である。
単身要介護高齢者の要介護度が社会的孤立リスクの抑制に及ぼす影響―日韓の子ども・親戚サポートと地域住民サポートを調整変数として―
著者:金 貞任
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p61-78
2023年07月31日発行
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【目的】本研究の目的は、日韓の在宅の単身要介護高齢者の要介護度が社会的孤立リスクの抑制に及ぼす影響を解明することであり、社会的孤立リスクが子ども・親戚サポートと地域住民サポートにより調整されるかを検討した。
【方法】日本のI 市・J 市と韓国のK 市とL 市の在宅に居住している単身要介護高齢者(日本187 人;韓国294 人)に対して日本では留置調査、韓国では面接調査による質問紙調査を実施した。
【結果】共分散構造分析の結果日韓の要介護度と日本の地域住民サポートは、単身要介護高齢者の社会的孤立リスクの抑制につながることが明らかにされた。日本の子ども・親戚サポートは、地域住民サポートを促すという間接的な形で、単身要介護高齢者の社会的孤立リスクの抑制に寄与していた。
【結論】単身要介護高齢者の社会的孤立リスクには、要介護度が関連しており、家族・親戚サポートと地域住民サポートが調整されることにより社会的孤立リスクが抑制される可能性が示唆された。
教育方法としての〈体験〉の語り直し―レヴィナス言説から生徒と教師の倫理的関係を捉え直す―
著者:石﨑 達也
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p43-60
2023年07月31日発行
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本稿は、『他者を「理解する」とは、「他者との関係が理解をあふれ出てゆくこと」を理解することにほかならない』というレヴィナスの言説を手がかりにして、「教育関係において言語が演じる立場を描写する活動」に注目し、生徒と教師の教育関係を捉え直す臨床教育学研究として文献研究を行った内容をまとめたものである。研究の結果、テクスト化を介して学校現場における教師の「体験」と生徒の「体験」を互いに交差させ、生徒の語り得ない言葉を教師が解釈する(あるいは語り直す)営みをとおして、生徒にとっての「教師」は、わかりあえない他者(あるいは体験)との間における媒介者としての〈責任〉を担うことが明らかとなった。
中国におけるオンライン購買行動と消費者個人属性の関係
著者:陳 森,伊東 眞理子
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p21-42
2023年07月31日発行
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近年、オンライン購買行動は急速に発展しているが、消費者の個人属性がオンライン購買行動に与える影響については、さらなる研究が必要である。本研究では、中国におけるオンライン購買経験がある消費者を対象とするアンケート調査を実施し、個人属性がオンライン購買行動に与える予測・調整効果について検討した。数量化Ⅱ類を援用し構築された予測モデルの判別精度への検証結果によると、次のことがわかった: (1) 学歴、月収、居住地域を用いて消費者のオンライン購買行動を正確に予測することは難しい(判別的中率は約60%)、(2) 性別や年齢などの細分化条件を加えると、判別モデルの予測精度を効果的に向上させることができる、(3) 異なる細分化条件の作用下では、教育水準、月収、居住地域がネット上の購買費用に及ぼす影響の強度順位が変化する、(4)異なる細分化条件の作用下では、ネット上の購買費用に対する3 つの個人属性の作用方向に大きな違いがあり、作用方向が逆転することさえある。以上のことから、本稿では、消費者の個人属性がオンライン購買行動に及ぼす影響は、単純な線形関係ではなく、多変量かつ複雑な非線形関係であることが示唆された。
学童保育の支援内容と子ども同士の関係について―運営主体による違いに着目して―
著者:瑞穂 優,廣瀬 団
茶屋四郎次郎記念学術学会誌 第13巻(2023.7)p5-20
2023年07月31日発行
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共働き家庭やひとり親家庭の増加等により、学童保育のニーズが高まっている。しかし、学童保育の歴史は浅く、「放課後児童健全育成事業」として法制化されてから20 数年しかたっていない中で近年、量的拡大を目的に株式会社の参入も増加している。本研究では異なる運営主体の学童保育職員に支援の内容や支援意識、子どもの生活、子ども同士の関係についてのアンケートを行い、保育の質とどのように関連しているかを明らかにした。その結果、きめ細かい支援が子ども同士の関係を良好にしていること、記録を書くことで支援意識が高まること、計画等を作成することで支援内容が発展することが明らかになった。また、どの運営主体の施設も一定の質を保っていることが明らかになったが、その一方で民間企業では30 代以下の職員が多く、計画等を作成する機会が乏しいこともあり、多様な経験ができるような支援には結びつきにくいことも明らかになった。
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